◆「俳句のまち~いしかり~」第15回俳句コンテスト入選作品◆

*選者

小西龍馬 氏(北海道俳句協会顧問)
横山いさを 氏(樅俳句会代表)

天位(1点)

生簀に烏賊放ち朝市はじまりぬ      岩内町  松本きよし

地位(5点)

朝市を仕舞ひ一礼夏の雲         山形県  菊地みさ子
朝市の箱に蠢めく蝦蛄百尾        小樽市  伊藤玉枝
海凪ぎて朝市開く立夏かな        石狩市  小玉富士子
朝市の手車覗く烏の子          札幌市  渡部豊子
朝市や海胆たっぷりと浜の膳       石狩市  曳地理子

人位(15点)

朝市の客に潮噴く蜆貝          小清水町 久保信和
朝市や素顔と素顔秋刀魚買ふ       美深町  飯塚 孝
朝市の赤銅破顔鰊船           石狩市  石川治
朝市や増毛山道雲の峰          石狩市  赤繁忠弘
夏立つや塩辛声の朝市女         稚内市  静間典子
明易し厚田朝市青菜売          札幌市  田森つとむ
朝市のきらりと海女のピアスかな     北広島市 水口 茂
不揃いの蝦蛄笊盛りに朝の市       札幌市  坂本一渓
朝市の売り手買ひ手の日焼顔       札幌市  田中玲子
朝市の値踏みへ下駄の音涼し       日高町  遠藤孝明
朝市や弁財船に春の虹          石狩市  鈴木雄三
十重二十重初夏の朝市異邦人       札幌市  菊地 勝弘
お目当ては蝦蛄の浜茹で朝の市      札幌市  西村千鶴子
鮭網をおこす一湾朝の市         札幌市  西村千鶴子
朝市を統ぶる媼の頬被り         札幌市  藤林正則

佳作(20点)

朝市のうすれゆく海霧村動く       新得町  中島土方
朝市で季節知らせるフキノトウ      岡山県  柳瀬和之
朝市の小さき漁港風光る         遠軽町  宮坪勝美
朝市の匂ひ新らし初夏の雲        豊浦町  中谷真風
ひたむきな婆の朝市青嵐         石狩市  渡辺愛美子
朝市の婆が並べる蓬餅          札幌市  深澤雅子
朝市や令和元年五月晴れ         喜茂別町 佐藤コヨ
朝市の釣銭匂ふ土用東風         石狩市  畑中貴子
朝市の嫗すすめる鬼虎魚         宮崎県  近藤國法
朝市や並ぶテントの夏の色        歌志内市 横山冬青
朝市の水蛸買ふや列を為し        札幌市  星徳男
手擦れせし心酔の書の海霧湿り      北見市  笠井操
朝市の声の沸騰夏来る          日高町  遠藤孝明
浜益の売り子でゲンキ初夏の朝      岩見沢市 杉山武志
朝市や津軽訛りの烏賊売女        福島町  葉山彰
朝市の魚提げ笑みぬ夏帽子        東京都  大久保昇
天高く朝市響く売り口上         千葉県  丸山直人
潮焼けの売り娘呼び込む朝の市      石狩市  五十嵐満行
浜訛添へて鮭売る朝市女         札幌市  藤林正則
朝市の独活の匂ひやひろがりぬ      札幌市  仁和亮

          ◆第14回こども俳句コンテスト入選作品◆

*選者

赤繁忠弘氏(石の花俳句会代表)畑中貴子氏(石の花俳句会)
曳地理子氏(石狩文芸同好会) 棚橋文男氏(石狩憩吟社代表)

【小学生の部】
優秀賞(10点)

いしかりの広い大地でいねゆれる     石狩小5年  林咲名
教室が静まりかえった夏休み       花川小6年  小西彩加
ボールけるゴールの向こう夕焼けだ    南線小4年  奥山琉世
田植えでねみんないっしょにどろだらけ  南線小4年  長谷川結空
遠足や遊ぶ背中にはれた空        南線小5年  青木大悟
夏空に力をあわせピラミッド       南線小5年  佐々木啓翔
水たまり映る自分と虹の橋        南線小6年  池田暖乃香
宿題がなければいいな夏休み       紅南小5年  岡部海人
蒲公英の綿毛を飛ばす風の声       緑苑台小5年 髙田陽和平
にしん来てあみから外すお手伝い     浜益小5年  村田迅

佳作(20点)

雨の後あじさいたちが笑ってる      花川小5年  平田真琥
夏の海波からにげる鬼ごっこ       花川小6年  小寺深月
春休み六年生はもういない        南線小3年  勝田迅
真っくらな海辺をてらす月あかり     南線小4年  佐藤心和
にじ色のシャボン玉わる童かな      南線小4年  佐藤柚月
夏休み始まる前はねむれない       南線小4年  中井聖一朗
あめんぼうはもん広がる水たまり     南線小4年  中村芽咲
夏が来た海に花火に日焼けあと      南線小5年  阿部杏璃梢
雨続き窓から見えるかたつむり      南線小5年  江戸輝奈
カエルちゃんどこから来たの君はだれ   南線小5年  鳥海絆那
遠足のもぐもぐタイム青空で       南線小5年  宮城零音
青い空ゆらゆらゆれるハンモック     南線小6年  和島乃愛
さけやけばうみのおとするみなとまち   花川南小4年 脇本恭地
みつけたよミミズじゅっぴきこうえんで  紅南小1年  和泉光希
なつがきたすもももももももものうち   紅南小2年  工藤栄瞳
鳥ぐもり北はくもっているんだよ     紅南小4年  細川さくら
かっこいい5月人形たくましい      紅南小4年  光川眞永
うんどう会まいとし三位の徒きょう走   紅南小5年  山内陽輔
銀色の景色広がる涷る海         緑苑台小5年 石黒琉偉
春の風優しい声で歌ってる        緑苑台小6年 木村和心

努力賞(5点)

向日葵が見つめる先は青い空       生振小5年  中澤美結
どこまでも桜のトンネルきれいだな    八幡小4年  白井颯
スイカをねみんなで分けて食べようよ   双葉小3年  齋藤楓
うんどうかいゴールめざしてもうダッシュ 厚田小1年  加藤奇愛
にぎやかなセミのおしゃべりまだつづく  聚富小6年青木貞行ジャスティン

【中学生の部】
優秀賞(10点)

素振りする背中で薫る庭のバラ      花川中2年  佐藤泰慎
幼き子たんぽぽ母にプレゼント      花川中3年  平川桃花
春雨の水面に映る金閣寺         花川南中3年 浅野龍悟
花冷えと降るなと願う京の雨       花川南中3年 佐藤優菜
哲学の道へとつなぐ桜かな        花川南中3年 白岩拓海
ししおどし田んぼを守る和の音色     花川北中1年 佐藤匠馬
輝きを最後に魅せる大花火        樽川中3年  西本悠月
子の声や光輝く石鹸玉          樽川中3年  布村美羽
翡翠の鳴き声響く野球場         厚田中2年  河合柊弥
風薫る京を歩くや自主研修        厚田中3年  中井陽花

佳作(20点)

すいかわりきあいをいれてまっぷたつ   石狩中2年  加藤博秋
秋の夜プレート怒り地が揺れる      石狩中3年  齋藤稜太
桜ふる未来に向かい一直線        石狩中3年  清水日菜
どんな日もまっすぐのびるつくしんぼ   花川中1年  殿川莉子
大好きな空にたくさん赤とんぼ      花川中2年  本間結翔
背比べ負けじと伸びるつくしたち     花川中3年  河村遥斗
春の雨水辺にゆれる金閣寺        花川南中3年 漆原恭太郎
春雨の中に佇ずむ銀閣寺         花川南中3年 大澤天馬
桜散るこの町並を思い出に        花川南中3年 先﨑芙南
霧雨となびく桜に京の風         花川南中3年 髙木亮汰
紅葉や流るる川に黄と赤と        花川北中2年 廣澤心優
桜道空のリュックに詰めた夢       樽川中3年  赤石健太朗
ヒマワリの目立ちたがり屋あかるい日   樽川中3年  菊地奏花
扇風機ドリルのページめくりたる     樽川中3年  後藤涼花
春風が涙乾かす校舎前          樽川中3年  藤田天音
墓参り今年はなにを伝えよう       厚田中1年  原あずみ
足早に中学最後の夏が行く        厚田中3年  伊東大輝
運動会バトンで繋ぐ絆かな        厚田中3年  相馬佑紀
汗ぬぐい育てた米はななつぼし      聚富中1年  日隈信吾
春風が出会い別れを告げてくる      浜益中2年  吉弘知来

表彰式 10月14日(月・祝日)10:00〜 石狩市花川南コミュニティセンター(石狩市花川南6条5丁目)